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【進撃の巨人】専業主夫リヴァイさん

第1章 主夫①


「チッ、仕方ねぇな…あと5分だけだぞ」


 俺は、厚焼き玉子に視線を戻す。

 は卵料理が好きだ。厚焼き玉子だったら甘い方が好きで、卵5個を使った大きなものだって、ペロリと平らげてしまう。


 これが焼きあがったら、弁当箱に詰めて完成だ。この弁当箱は、やはり買って正解だったな。簡単にロックできるわりに、液漏れが全くない。いい買い物をした。

 弁当に詰めた残りは、朝食に出してやろう。味噌汁の準備もできたし、これでいいだろう。

 俺は厚焼き玉子を盛り付けた皿と、味噌汁の椀をダイニングテーブルに置いた。猫舌ののために、味噌汁は少しぬるめに温めてある。


「おい、もう10分経ったぞ。起きなくていいのか?」


 そのままの足で俺は寝室に入っていくと、こんもりと丸くなった布団に手をかけた。


 バッとめくると、それと同時にバッと引き戻される。


「てめぇ、そんなに機敏に動けるのなら、もう目ぇ覚めてんだろ」


「…うぅ…これは反射運動ですよ…自分の睡眠を確保するための、人間に備わった本能です…」


「屁理屈はいいから、さっさと顔を洗って飯を食え。遅刻するぞ。今日は午前中にテレビ番組の収録があると言っていただろう?」


 布団を引き剥がされてもなおベッドの上で丸くなっているを、俺は介護老人にやるみたいにして抱き起こした。何てことはない、毎朝の恒例だ。

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