第2章 主夫②
結局、場所をミーティング室に変えて、メンバーがあと二人増えた。
若い男二人で、ジャンとアルミンというらしい。この二人とエレンとミカサは、今年度の新採用職員らしかった。どうりでガキくせぇ訳だ。
「うわぁ!さんのお弁当、可愛いですね!」
まるで女みてぇな声をアルミンがあげる。声だけじゃなく見た目も女みたいな奴だ。弱々しそうに見えるが、おそらく新人四人の中で最も頭が切れるのはコイツだろう。
昔の仕事柄、初対面の人間に対しては瞬時に性質を分析しちまう。ちなみにジャンも有能な奴だろう。ただ、コイツは苦労性な感じがするな。
エレンは、見た目は芸能人みてぇに整っているが、多分頭のどこかが狂ってる。
ミカサは、言うまでもなくバーサーカーだ。どうでもいいが、組に一人はこういう怖いもの知らずがいてくれると役に立つ。
「でもスゴイっすね、さん。毎日こんなに忙しいのに、お弁当まで作ってるなんて!」
ジャンが言う。
「私じゃないよ!リヴァイさんが作ってくれるの。すっごく料理上手なんだよ~!」
「おい…いいから、さっさと食え」
はまったく躊躇せずに相手を褒めることができる。それは二人きりの時でも、誰かの前でも同じだ。
普通は恥ずかしがって身内のことは謙遜して人前でおとしたりするモンだが、にはそういった感覚は備わっていないらしい。