第2章 主夫②
俺は気恥ずかしくなって、弁当を届けるついでに水筒に入れて持ってきた紅茶をコップに注いでやる。ついでにスープポットも。中身はベーコン入りのコンソメスープだ。
「はい、リヴァイさんも、あーん」
が厚焼き玉子を差し出してくる。
「…俺は後で食うからいい。お前の分が無くなっちまうぞ」
まったく…人前だっていうのに困った奴だ。だがこれで結構頑固だから、絶対に引くことはない。
仕方なく俺はパクリと卵焼きを頬張った。
だがふと気が付くと、他の四人が硬直していた。…ガキに見せつけ過ぎたか?
「さん…普段と全然違う…」
どういう訳か知らんが、エレンは涙目になっている。それを見てミカサがまた俺のことを睨んでくる。オイ…それについては俺は知らねぇぞ。
アルミンは、口元に手を当てて考え込んでいる。
「…まさか、今までのお弁当も全部、旦那さんが作っていたんですか?」
「ん?そうだよ。可愛いでしょ」
弁当を頬張りながらニコニコと返事をしたに、一瞬の静寂の後、ミーティング室には絶叫が響き渡った。
「嘘だろっ!!有り得ねぇっ!!」
「こんな可愛いキャラ弁を、まさか…っ!!」
頭を抱えて、ほぼ同時に立ち上がったエレンとジャンに、さすがの俺もゆっくりと立ち上がった。どうやらこのガキどもには躾が必要なようだ…。