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君に知ってほしくて。

第7章 4日目~君が見れなくて・前~


その日、雨が降っていた。
廊下でケラケラ笑う女子共の声がうるさかった。
「このちくり野郎!」
「どの面さげていってんだよ」
「あたしらが何かしたか??ああ??」
本当にうるさかった。
雨音でさえうるさいのに、いい加減にしてほしかった。
だから・・・
「おい、猿。今すぐ出て行け。檻にぶち込むぞ。」
「げっ・・・みーちゃん!?」
「やだっ・・・」
教室を静かにさせるほどの威力だったそうで。
「お、菅野様じゃねぇかよ。お前もグルかよ」
「きっしょおおおwwww」
「気持ち悪いと言ってくれないかな。アウストラロピテクスさん達?」
女子共はわたしの近くに寄ってきて机を蹴飛ばした。
「だまれよ!クール気取りやがって!」
「おい!またお前らか!職員室来い!」
生徒らは先生に連れて行かれた。

「みーちゃん・・・なにやってんだよ」
「怪我なくてよかったけど・・・・」
雨は、止まなかった。
「(み・・・・みーちゃん!廊下!)」
たかのに言われて廊下を見ると、少し怯えた顔をした知世ちゃんが立っていた。
「あ、またきます!!!!」
追いかけようとしたけど・・・・何故か足が止まった。


放課後、忘れ物をしてしまったので取りに教室へ戻った。
「すまん、すぐ戻るから!」
「はいよぉ~」
階段で2人に待ってもらっている間に急いで教室に行った。
ガラガラ・・・・

「あ?おー、いいところにクール霊長類さんがきたじゃぁ~ん?」
「まってたのよー?」
「こっちは約束なんてしてないんだがな。」
「んだよ、どこ行くんだよ」
「忘れ物を取りに来ただけ。じゃぁな」

ガシッ

首元を掴まれた。
「うぐっ・・・・なにすんだ」
「なにって、お前さ、女のくせに男みたいに冷たさ振りまいてんじゃねぇよ!」
「は?何言って・・・イテッ!」
髪の毛を握られた。
「くそう・・・・・」





「みーちゃんおっそいねぇ。」
「知世ちゃん待ってるっていうのに」
階段を駆け上ってくる足音。
「たかの先輩!!どうしたんです?遅くないですか」
「おんや、知世にゃん。忘れ物取りに行ってるだけなのに、あのお姉さん帰って来ないのよ。」
「え・・・・・?」

続。
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