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君に知ってほしくて。

第5章 3日目~君が出てきて・後~


 そして、時は来てしまった。

「みーちゃん、そんなに急ぐと落ちるよぉ」
「校門で待たせちゃ悪いだろ!」
私達は大急ぎで知世ちゃんが待っている校門へと走った。
が、目の前に映し出された景色に・・・

「あ、あの!ごめんなさい!」
「付き合ってください!お願いします!」
知世ちゃんに近寄る少年。
「クラスも違うのに、話したこともないんですよ?!」
「付き合ったら仲良くなっていきますよ!!」
知世ちゃんがすごい嫌そうな顔をしている。
「みーちゃん!」
「おいお前、何組の生徒だか知らないけど、その子嫌がってるのわからないのか?」
私は怒鳴らずに、ゆっくりと少年に近寄った。
知世ちゃんが私の背中にぎゅっとしがみつくのがわかった。
「なんだよ、お前ら」
「お前らとはなんじゃい!2年の菅野ファミリーよ!」
たかのおおおおおおおおおおおおおおおおい!
「2年だと・・・!?」
しゅーちゃんがわたしの前に立って、
「友達からとかそういうのない男の人って最低だと思うね。さっ、帰った帰った。」

「なんだよっ!!!ちぇ!」
少年は早足で去っていった。

・・・・・・・グスッ

「おぇ?!知世にゃん、どうした!!!」
たかのが大きな声を出した。
知世ちゃんはその場にしゃがみこんで泣いていた。
「最近よく男の子達が集団で後をつけてたり、嫌がらせとか受けてたんで・・・・今日も1人で待ってるの怖くて・・・」
え・・・・、嫌がらせ?
そんなことよりも、泣いている知世ちゃんの顔なんて見たくなかった。
「ほら、近所のクレープ屋さんで休憩しよっか。」
「みーちゃん・・・」
しゅーちゃんが鞄を持って、たかのは一足先にクレープ屋で並んでくれた。
わたしはどうやってなぐさめたらいいのか必死だった。


「はい、知世にゃんイチゴクレープなりぃ~!」
「はむっはむっ・・・・ん!おいしいです!!」
「みーちゃん、顔が溶けてる。」
「あぁん!?溶けてない!!」

クレープを食べて、知世ちゃんが入学してから溜め込んだ不安も全部聞いてあげた。
その帰りのことだった。

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