第16章 渦巻く黒い感情
「お饅頭美味しかったね〜!」
雷「あんこがぎっしりだったね!」
「町外れのお饅頭屋さんのなんだって。いつか行ってみたいな〜」
雷「じゃあ今度皆で行こうよ。美味しいおうどん屋さんも知ってるよ!」
「わぁ!いいの!?私学園しか知らないから町にも行ってみたいな」
雷「小さな町だけど賑わってるよ。次の休みにでも行こうか。」
2人が和やかに会話をしてるところに、三郎が水を差す。
鉢「町なら皆で行くより土井先生に連れてってもらえば?」
「え、なんで土井先生…??」
雷「あ〜、ゆうきちゃん、土井先生と仲良さそうだったから…いつの間にあんなに仲良くなったの?」
「仲良くというか…昨日お話しする機会があっただけだよ。」
鉢「へ〜、いつどこで??」
「えっ?…昨日の夜、土井先生のお部屋で…///」
ゆうきは自身の発言で昨夜のことを思い出してしまい、顔を真っ赤に染めた。
雷「…土井先生と何かあったの?」
鉢「先生落とすなんてやるじゃん。」
2人の反応にゆうきは慌てて否定する。
「何もないよ!!私が昨日保健委員会で失敗しちゃって…土井先生は話を聞いてくださっただけよ!」
鉢「土井先生はお優しいからなぁ。その優しさにつけ込んで慰めてもらったんだろ?」
「??? 確かに慰めてくださったけど…?」
鉢「寝たかって聞いてんだよ、土井先生と。」
「寝っ!?////何言って…そんなことするわけないじゃない!//」
ゆうきは顔を真っ赤にして三郎を睨む。
雷「僕はゆうきさんを信じるよ…」
そう言って雷蔵はゆうきに微笑んだ。
「雷蔵くん…」
鉢「まぁ土井先生がこんな奴にたぶらかされるわけないか。」
「さっきから落とすとか、たぶらかすとか…そんなことしません。それに土井先生は私を信用してくださってて…」
鉢「それは土井先生の嘘だよ。」
え…?とゆうきは顔を上げた。
鉢「土井先生が1番年が近く、取り込みやすいと踏んで接近したんだろうけど、先生方がお前を信用するわけないだろ。あわよくば男女の関係に持ち込んで、情に訴えて情報を集めようって魂胆だろうけど残念だったな。」
「そんな…酷い…。昨日土井先生とは偶然会って…。他の先生も徐々に信用してくださってるって…。」