第14章 保健委員会
真っ直ぐに見つめられて言われたその言葉にゆうきは目を見開いた。忍者ではないと皆に早く信じて貰えるよう頑張ろうと思っていた。でも忍者じゃないことが分かっても嫌われるなんて…。
「…伊作君、今日のところは私……。」
善「ああ、そうだね。今日は申し訳ないけど…。」
ゆうきには目もくれず、伊作は自分の胸でむせび泣く後輩の頭を撫でながら答えた。
その反応にまたもゆうきは傷ついてしまう。
「左近君…皆さん…私は貴方達を馬鹿になんてしていません。でも何も考えず、軽はずみに貴方達を傷つけることを言ってしまって…すみませんでした。」
ゆうきは座ったまま深々と頭を下げた。その様子を全員が静かに見つめた。
ゆうきは片脚をかばいながら立ち上がると、悲しそうな笑みを浮かべた。
「皆さん、足の手当本当にありがとうございました。左近君もお粥ありがとう。…委員会の邪魔をしてしまってごめんなさい。失礼します。」
ゆうきが後ろを向いて扉の方へ歩き出した時、乱太郎が声をかけた。
乱「ゆうきさん!…あの…また来てくれますか…?」
しかし既に涙を堪えきれなかったゆうきは振り返ることも、声を出すこともできず、扉を見つめたままコクンと頷いて乱太郎の問いに答えた。
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ゆうきが出て行った医務室で、それまで我慢していた一年生2人が左近に抱きついた。
乱・鶴「うわ〜ん、左近せんぱ〜い!!(泣)」
左「うわっ、なんだお前たち!!」
数「左近、すまなかったね。僕があんなこと聞いちゃったから…ゆうきさんを責めないであげてくれ。」
左近は2人の後輩の頭を撫でながら答えた。
左「いえ、先輩はごく自然に…普通のことを聞いただけです。あの人が悪くないのも分かってるんです…。でも…。」
乱「わがります〜(泣)悲しぐなっぢゃっただけですよね〜(泣)」
鶴「ぜんぱい〜、ぼぐだぢのやっでるごど、無駄じゃないですよね〜(泣)」
左「なんでお前らまで泣いてるんだよ(笑)」