第14章 保健委員会
伊作がポンっと左近の頭に手を置いた。
善「ゆうきちゃんも言っていたじゃないか、僕たちがやっていることが未来に繋がっているんだって。むしろ、僕たちやこの時代のお医者様、医療に関わるものが努力しないと、未来の医療は進歩していないと思うよ。」
数「伊作先輩のおっしゃる通りだ。難しいことは置いておいて、僕たちは僕たちのできることを…目の前の人を救うことだけ考えていればいいんだよ。」
乱・鶴「伊作先輩、数馬先輩〜…。」
左「そうですよね…!分かりました!先輩方、乱太郎、伏木蔵、今日は委員会中なのに取り乱してすみません。あんなことまで言っておいて許してもらえないと思うけどあの人にも謝らないと…。」
善「いや、僕も僕たちのあり方について考える良い機会になったよ。きっとあの人なら許してくれるから大丈夫。」
伊作はにっこり微笑んだ。
左「あと…伊作先輩の想い人なのにすみませんでした…!」
善「え??……はぁ!?僕の想い人とか何言い出すんだい!!」
乱「え、違うんですかぁ?」
善「違うよ、僕とあの人は年が離れすぎてるし!」
鶴「年が離れているからダメなのですかぁ?伊作先輩はゆうきさんをおばさん扱いされてるのですかぁ?」
数「え…先輩それはないですよ…。」
善「ちがーう!!大人の女性に相手されるわけないという意味だ!」
左「でも伊作先輩、彼女が現れた日からずっと機嫌がいいし、今日もなかなか来ないから心配ばかりされていたではないですか。」
善「別に好きとかじゃないから!年上をからかわない!」
伊作自身、確かにゆうきは気になる存在だが、それが恋慕かどうか分かっていなかった。必死に否定する伊作の反応に医務室では笑いが起き、和やかな雰囲気に包まれた。