第13章 ボサボサ頭の救世主
竹「ところでゆうきちゃん、こんなところで何してたんだ?」
「正門の掃き掃除終えて、医務室に行くところだったの。今日は保健委員会手伝うことになってて。運動場通った方が医務室に近くないかなぁと思って歩いてたら…落とし穴にはまっちゃったんだ。」
ゆうきは自身についた泥をはたきながら答えた。
「竹谷君は何してたの?」
竹「俺も委員会の仕事してたんだ。俺、生物委員会の委員長代理なんだけど菜園の世話を終えて戻るところで助けを呼ぶ声が聞こえてきたから。」
「そうなんだ。竹谷君がたまたま通りかかってくれて助かったよ!誰にも気づいてもらえないかと思って(笑)本当にありがとう!」
ゆうきは深々と頭を下げた。
竹「いいって、いいって!大したことしてないし。それより今から食堂に行くんだけど一緒にどう?」
「ありがとう!でもまだ保健委員会が活動してるかもしれないから医務室を覗いてくるよ。」
竹「そっか、じゃあ途中まで一緒に帰ろうか。」
「ううん!竹谷君走ってたし、急いでたんでしょう。時間とっちゃってごめんね。私に合わせると遅くなるから先に行っちゃって!」
竹「そう?じゃあまた明日!」
元気に走っていく八左ヱ門を見送り、ゆうきも歩き出す。