第11章 賑やかな事務室
「吉野先生、終わりましたので確認お願いします。」
吉「はい、どれどれ…。おお、これは…素晴らしい!小松田君がバラバラにした書類もこれで管理しやすくなります!」
「お役に立てて良かったです(笑)…でも、よろしいのでしょうか?私が学園の書類に触ってしまって…。」
小「えぇ、どうして??」
小松田が心底、不思議そうな表情で首を傾げた。
「皆さんから怪しがられている私が、学園の重要書類を扱っていいのかなと思ってしまって…」
吉「いいんですよ。確かに中にはゆうきさんがここを手伝うことをよく思っていない人もいるでしょう。しかし、食堂の手伝いの後、事務の手伝いをさせるよう言ったのは、何を隠そう学園長先生ご本人ですからね。少なくとも学園長は貴女を信頼しているということですよ。それに私達もね。」
「吉野先生…。」
小「そうだよ、ゆうきちゃん!ちゃんと入門票にサインもらったからね〜!」
吉「もう!小松田君は黙ってなさい!ゆうきさん、忍者というものはまず人を疑わないといけない。ここは忍者の学校ですから、急に学園にやってきた貴女をすぐに受け入れることができる人は少ないかもしれません…。しかし私達は忍者ではなく、事務員ですから。困ったことがあれば何でも言ってくださいね。」
小「えへへ、僕も力になるから〜。分からないことがあったら何でも聞いてね!」
「吉野先生…、小松田君…、ありがとうございます。改めてこれからよろしくお願いします!」
ゆうきは涙目で微笑んだ。