第11章 賑やかな事務室
「こんにちは、初めまして。」
戻ってきた食堂のおばちゃんと少しだけ一緒にお茶をした後、今度はランチの仕込みを行い、あっという間にお昼の時間になり、休む間も無く配膳や片付けを済ませ、次にゆうきがやってきたのは事務室であった。
吉野「私は道具管理主任の吉野です。よろしく。
あとあそこで書類に埋もれてる彼が…ちょっと小松田君!いつまでそうしているんですか!!」
小松田「あいてててて…小松田秀作です〜。よろしくね、ゆうきちゃん。」
吉「ゆうきさんは君より年上ですよ!ちゃん付けなど失礼です!」
小「えー!うそー!!高学年の忍たまと一緒くらいかと思ったのになぁ」
悪気なくゆうきの顔を見つめている小松田に苦笑いする。
「ここでは貴方が先輩だから、呼びやすいように呼んでください。」
ニコッと笑いかけると、小松田も嬉しそうに笑い返した。
小「じゃあゆうきちゃん!!」
「はい^ ^ …それより大丈夫ですか?どうしてこうなったんですか?」
小「大量に書物を運んでる時に、なぜか足元に壺があって蹴躓いちゃって…」
吉「小松田君…君が盛大にぶちまけた書物は、とても重要な物なんですよ!そしてなぜか足元にあった壺は、君が学園長から仕舞うように頼まれてたのを忘れていたんでしょうが!!!」
小「うわ〜ん、ごめんなさ〜い!!」
吉「全く、君はそこを片付けなさい。ゆうきさんには、こちらの書類の整理をお願いしたいんですが…」
「はい、分かりました。」
吉野先生は小松田君にかなり手を焼いているようだ。しかし、その叱り方にはどこか愛情がこもっている。食堂で散々忍たま達から冷たい視線や好奇の眼差しを向けられたゆうきには、その暖かさがとてもくすぐったい場所に感じられたのであった。