第10章 洗礼
(やっぱり低学年の子達も不信感持ってるのね…)
ゆうきは心の中で苦笑いをした。
その時、水色の井桁模様の制服を来た子達がドタバタと入ってきた。
おば「騒がしい一年は組が来たわよ」
おばちゃんが笑いながら教えてくれた。
乱「あー!噂の臨寺ゆうきさんだ!」
しん「未来から来たって本当ですか?!」
きり「未来の珍しい品物とか高く売れますかね!?」
喜「ナメクジさんは好きですかぁ?」
1年は組のよい子達11人がゆうきを見つけるやいなやドッと押しかけて、矢継ぎ早に質問を投げかける。
「えっと…本当ですよ!!え、高い物は持ってないけどどうだろうねぇ…、え、えっと、ナメクジ!?」
おば「ほらほら!アンタ達!!お残しは許しまへんでー!!」
今までの生徒とのギャップに面喰らっているゆうきを助けるように、おばちゃんが皆を急かすと、よい子達は元気に返事して席に着きはじめた。
乱「ゆうきさん、困ったことがあったら言ってくださいね!」
「……!!
はいっ!!ありがとう!」
ゆうきは一年は組の純粋さに、心からの笑みが漏れたのであった。