第10章 洗礼
ある程度準備が終わり、皆がやってくる時刻となった。
おば「そろそろ時間ね。私がご飯や小鉢を盛っていくから、ゆうきさんはそれをお盆に乗せて、最後に味噌汁をついで皆に渡してくれるかしら。」
「分かりました。味噌汁は先についでおくと冷めちゃいますもんね。」
おば「さぁ、声が聞こえてきたわねー。じゃあゆうきさん、よろしくね!」
「はい!!」
最初に現れたのは青い忍者服の子達。おばちゃんに教えてもらった情報によると、青は二年生の制服だ。
「おはようございます!はい、どうぞ!」
ゆうきは手際よく、味噌汁をついだお椀をお盆に乗せ、皆に手渡していく。その際おばちゃんが後ろから「今のは二年い組の三郎次君。」などと小声で教えてくれた。
満面の笑みで元気に挨拶するゆうきに対して、二年生の忍たま達の反応は様々であった。
二年い組の左近と久作は軽く会釈して盆を受け取ったが、三郎次はゆうきと目も合わさなかった。は組の四郎兵衛と石人は小さく「…おはようございます。」と挨拶をして受け取った。
次に来た萌黄色の制服の三年生も概ね似たような反応を取る者ばかりであった。