第6章 学園長室
学園長の問いに、予想をしていた内容ではあったが、どう答えてよいか分からずゆうきは口をつぐんでしまった。
木下「どうした!?」
山田「ふむ、答えられないのか??」
立花「フッ…やはりどこかの城の回し者のようですね。」
「違います…!!!!」
周囲の反応に思わず反論してしまう。
「私は………私は………。」
ここまでの道中何度も整理して考えたが、答えは一つしかない。でもそれは自分でも信じられないことで、口にするには大きな勇気が必要であった。
しかし、痺れを切らした六年生達が口々にゆうきを責め立てる。
潮江「何を言い訳したって、お前が学園長先生のお命を狙ったのは、紛れも無い事実だろうが!」
中在家「モソ…それはここにいる全員が目撃している。言い逃れはできない。」
立花「木の上に隠れていたが、足を踏み外しでもしたんだろう。」
食満「さっさと吐いた方が身のためだぞ。」
「だから違いますって…!!私は…信じていただけるかわかりませんが…、私は………。」
再び黙ってしまったゆうきに向かって学園長が口を開く。
学「ワシは見ておらぬが、皆の話では、お主は南蛮のものと思われる着物を身につけておったそうじゃのう…。
しかし、お主の荷物をあらためさせてもらったが、南蛮のそれとも、かなり違うように思う。他にも不可思議なものばかり入っておった。どうやらただの町娘ではないようじゃが?」
ブフォと学園長が眉を上げてゆうきを見据えた。
土井「おい…君も黙っていては間者と認めたとみなすぞ。」
ゆうきは意を決して、拳をギュッと握りしめた。そして、顔を上げ学園長の目をしっかり捉える。
「私はこの学園に迷い込んでしまった…未来人のようです。」