第5章 異世界トリップ
見張られてたんだ…きっと医務室にいる時から…。
ゆうきはその事実にゾッとした。
さっきも疑いを晴らせないまま気を失っちゃったし、この人達も私を疑ってるんだ。
それならいくら意識がないと言っても怪しい人物と仲間を二人っきりにはしないよね…。医務室に入って来なかったのは一応気を遣われてたってことなのかな。
それにしても忍者とか城とかやっぱりおかしいよ…隙を見て逃げ出さないと…。
小平太が先頭に立ち、その後ろにゆうきと伊作が並んで歩く。更にその後ろには文次郎と留三郎が並んでついて来る状態で学園長の元まで歩くようだ。
壁側を歩かされているゆうきは、この建物の広さに驚いた。時代を感じさせる古風な佇まいだが、いくつもの部屋があるようだ。廊下を歩くたびにギシギシと音がなる。観光地で昔ながらの日本家屋や武家屋敷に入ったことはあるが、それよりもうんと広い。