第3章 最初の出会い
鉢「まだ荷物は調べさせてもらうがな。それでお前はどこの忍者なんだ?」
まだ言ってる…。
ゆうきは、キッと三郎を睨みつけた。
「だから!私は忍者でも何でもないです!ただの女の…」
鉢「いい加減にしろ」
言い終わらないうちに、首に刃物を突きつけられた。
「ひっ…」
これは…本で見たことがある。忍者の道具、苦無だ。まさかこの人本当に…。
ゆうきはゴクッと唾を飲み込んだ。動悸が早くなり、冷や汗が出る。真っ直ぐに冷たい目でゆうきを見下ろす三郎から視線を外すことができなかった。
鉢「お前の正体、目的を言えば命までは取らない。」
三郎の目は冷酷そのものだった。
殺される…。
三郎からは躊躇いなど一切感じない。ゆうきは恐怖で震えた。
鉢「どうした、早く答えろ。」
何か喋ろうにもガチガチと歯がなるだけで、言葉が出てこない。その間も、無表情で冷たい鉢屋の目から、なぜか視線を外すことができなかった。
チッと三郎が舌打ちする。
も、もうダメだ…ゆうきはただただ三郎を見つめることしかできなかった。