第20章 会計委員会
「助けて、立花君!!」
仙「ふむ…寝てるのか、この馬鹿は。」
仙蔵は同室の友人の様子を観察しながら答えた。
「いいから早く〜!」
仙「おい、起きろ変態。」
どすっ!!
仙蔵は文次郎の頭に踵落としを喰らわせ、そのまま足をぐりぐりと押しつけた。
(さ、さらに重いんですが!?)
潮「何しやがるんだ、仙蔵!!」
ガバッと起き上がった文次郎は、自分の下敷きになっていたゆうきと目が合う。
潮「え!?あっ…!!す、すまん…!」
そして焦ったようにその場から退いた。
仙「むっつり助平め。三禁はどうした。」
「「いや誤解だ(よ)!!」」
ゆうきと文次郎が同時に声を荒げた。
「文次郎君、相当眠かったみたいで立ち上がる時に急に寝ちゃったの!それで、たまたま!!運悪く!!私がそこにいたから下敷きになっちゃっただけなのよ!」
仙「ほほう?ゆうきさん、それにしては浴衣が乱れているようですが。」
そう言われてゆうきは自分の格好を確認する。文次郎がどいた時に咄嗟に胸元を整えてはいたが、浴衣は着崩れ片方の肩が見えており、裾が割れて足も少し出ている状態であった。ゆうきは顔を赤くしながら、慌てて浴衣を直した。
「いやいやいや!これも何とか文次郎君の下から脱出しようともがいてる時に乱れただけで…。」
仙蔵はゆうきに近づくと、綺麗な指先でゆうきの髪をかき上げ、にこっと笑った。
仙「では、首筋についてるこの痕は??虫刺されではないようですが。」
「へ??あ、あと?///」
顔を真っ赤にするゆうきを、心底楽しげに仙蔵は追い詰める。
仙「やだなぁ、キスマークですよ。」
「き、きす…!?///」
ゆうきは、バッと自分の首筋を押さえた。
仙「文次郎でないとしたら、誰につけられたんだろうな〜。やっぱり土井先生ですか?それとも他の先生方…まさか忍たまか?」
「ち、ちが///そ、そのこれは…///」
焦るゆうきの顔を見て、クックッと仙蔵は喉を鳴らして笑う。
仙「まさかまたうちの綾部じゃないだろうな?」
仙蔵が更にゆうきを追い込もうとした時、
潮「ゆうきさん、すまない!!許してくれ!!!」
文次郎がすごい勢いで土下座をした。