第19章 図書委員会
長「今日の委員会活動はここまで。」
「「ありがとうございましたー!」」
仕事が一段落し、全員が頭を下げた。ゆうきも限られた時間の中でできることを行った。
きり「すげー、床に塵ひとつ落ちてない!」
能「本棚にも全然埃がないな。ゆうきさん、ありがとうございます。」
怪「先輩方、ゆうきさん凄いですね〜」
怪士丸に同意を求められ、長次と雷蔵も頷く。
長「あぁ、短時間でよくここまでやってくれた。ご苦労だったな。」
「えへへ…、時間がなかったから徹底的にはできなかったけどね。またお手伝いさせてね!」
ゆうきに微笑まれ、長次は再び頷いた。
きり「あー腹減ったー。そうだ、ゆうきさん。今日は一年は組と一緒に飯喰いませんか?」
「え、いいの?1人増えたら大変じゃないかなぁ。」
忍術学園の夕食は、クラス毎に毎日当番が作っているのだ。
きり「大丈夫っスよ!それにゆうきさんが一緒に食べてくれたら、は組の皆めちゃくちゃ喜んでくれます!連れてきた俺の株も爆上がりスよ。」
きり丸は腕を頭の後ろで組みながら、にひっと笑った。
(きっときり丸君なりに、今日のことを励まそうとしてくれてるのね…)
「それならお邪魔しようかな?一緒に食堂まで行こうね。」
きり「やったー!」
怪「あ、きり丸ずるい〜。ゆうきさん、今度一年ろ組とも一緒に食べてください!」
能「こらお前ら、ゆうきさんを困らせるなよ!」
きり「そういう先輩もゆうきさんと一緒に食べたいんじゃないですか〜。誘ったらいいのにー。」
能「バカ、俺たちはいいんだよ!」
久作の言葉を聞いてゆうきはハッとする。
(そうよね、久作君は私を誘わない…。友達を泣かせたんだから。むしろ私のことを嫌ってなくてびっくりした…。)
きり「じゃあゆうきさん行きましょう!」
きり丸がゆうきの手を引いた。
「あ、うん!皆さん今日はありがとうございました!」
ぺこりと頭をさげ下げて、ゆうきは急かすきり丸と一緒に慌ただしく出て行った。