第19章 図書委員会
ゆうきは長次に向かって勢いよく頭を下げた。
「ごめんなさい!もう書庫には近づきません…!委員会活動の邪魔をしてしまってすみません!…でも、仕事はさせてください!私は…仕事をしないといけないんです!それが学園長先生とのお約束なんです…お願いします!」
長「お前は…掃除用具入れを探すと言いながら、色々物色していたように見えたが?火器の本を熱心に読んでいたのも見ていた。」
長次の発言に驚き、ゆうきは顔を上げた。
「え…違う、違います!物色なんてしてません…ちょっと珍しかっただけで…。ここの本…読んでみたいけど、字が読めません。あ、いえ、字が読めないというか…私がいたところとは書き方が大きく違うんです。名簿なんかは辛うじて読めるけれど、漢字しか書かれていない文章なんて、その…読めなくて…。火器についての本なんてことも、分からなかったんです…!」
長「…雷蔵、どう思う?」
雷「……。」
ゆうきはその場に勢いよく正座した。
「お願いしま…」
長次に向かって土下座しようとするゆうきを、雷蔵が手で制した。
雷「中在家先輩、僕も大雑把にしか掃除道具の場所を教えませんでした。申し訳ありません。彼女から目を離さないようにしますので、予定通り掃除の方を彼女にお願いできないでしょうか。」
「雷蔵君…!」
雷蔵の申し出に、長次は一瞬考えて承知した。
長「…雷蔵がそこまで言うなら、仕方ない。しかし、次怪しい動きをしたら即刻出て行ってもらう。」
ゆうきはパッと目を輝かせ、立ち上がってもう一度頭を下げた。
「中在家君、ありがとう!」
きり「ゆうきさん、よかったっスね!!」
怪「僕、平太じゃないけどちびるかと思いました〜」
能「ちびるなよ!まぁ先輩方いつになく怖かったからなぁ。」
そこから全員気持ちを切り替え、忍たま達は引き続き書物の整理を行い、ゆうきは本棚や本の埃を取り除き、床の雑巾掛けを行ったりした。