第19章 図書委員会
長「…今日の委員会活動は書物の整理だ。ゆうきさんは、すまないが、その間図書室の掃除をお願いしたい。」
「もちろん!掃除なら大得意だよ!」
ゆうきが自分の胸を叩いて答える。
雷「ゆうきちゃん、よろしくね。必要な道具は奥の掃除用具入れに入ってるから。」
「分かった、ありがとう!」
雷蔵ににこっと笑われて、ゆうきも微笑む。
長「…よし、それでは他の者は、担当決めを行う。」
図書委員会のメンバー達は長次の周囲に正座し、ゆうきは1人くるっと向きを変え本棚の方に歩みを進める。
そこにはゆうきが興奮するほど大量の書物が並べられていた。
(う、うわ〜!!すごい数の本!本!本!巻物も沢山ある!!巻物なんて歴史博物館の展示物でしか見たことないよ!!)
ゆうきは目をキラキラさせながら一冊の書物を手に取る。
(うーん、分かってはいたけど全く読めないし、何の本かさえ分からないな…笑 でもここにある本を一、二冊持って元の世界に帰ったら、もしかしたら世紀の大発見に繋がるかも!まぁ自分では何も解読できないだろうけど笑)
なんてことを考え苦笑いしながら、ゆうきは本を元に戻した。
(…とは言っても元の世界に戻る手段も分からないまま。ここに何か手がかりになるような本とかあればなぁ。)
ゆうきは本棚の間を進み、突き当たりまで来ると右に曲がった。
「奧って言ってたけどこっちかな?あ!」
適当に右に進んだゆうきであったが、その最奥の列で引き戸を見つけた。
(きっと、ここかな…?)
ゆうきが戸に手を掛けて、開けようとした時だった。