第19章 図書委員会
能「なんだ、きり丸はゆうきさんに協力してたのか。」
きり「協力ってほどのことでもないスけど…俺たちゆうきさんとすぐ仲良くなったんで、忍たまの名前とか先生の名前とか聞かれた時に答えてただけです。ほとんどゆうきさんの努力の賜物スよ。」
きり丸に褒められてゆうきは少しだけ照れたように笑う。
「ふふふ、ありがとう。事務の仕事も大きいかなぁ。色々な名簿を見る機会もあるし、各学級にお知らせ配ったりとかしてたら誰が何組にいるとかも覚えられたしね!」
能「うーん、でもそれだけで覚えられるなんてすごい…」
怪「ゆうきさん頭いいんですね!」
「そんな褒めても何も出ないぞ〜」
ゆうきと後輩達が和やかな雰囲気で笑っているのを見ている、長次と雷蔵の心中は穏やかではなかった。
長「…やはり事務の仕事はさせるべきではなかったのだ。」
モソっと呟いて溜息を吐いた長次にゆうきが聞き返す。
「え、なーに?」
何でもないとばかりに、長次は首を横に振った。
雷(…皆はゆうきちゃんが忍術学園の全員の名前を覚えたこと知っているだろうか。いやきっと知らないな。怪士丸の言うように頭がいいのだろう…。彼女が忍者なら危険だ。いやでも、学園の関係者の名前や特徴、経歴なんかもきっと価値のある情報だ…忍者だったら覚えてないフリをした方が得なのでは…って迷ってる場合じゃない!とにかく皆には言わなきゃ。ゆうきちゃんが学園全員の名前を覚えていること、そして短期間でそれを成し得るような人物であること…)
きり「雷蔵先輩、大丈夫スか?」
黙り込んでる雷蔵をきり丸が心配そうに覗き込む。
雷「はっ!大丈夫だよ、ちょっと考え事をしてたんだ…」
長「ごほん…それでは改めて今日の委員会活動を始める。」
長次が咳払いをし、一同の注目を集めた。