第2章 【かずなり】の日常。
「…っん、ふっ」
前戯もそこそこに、客は俺の
後孔を中指で弄り始める。
こういう時に、心底前もって
中を濡らして準備しといて良かったと思う。
こんなの、突っ込んでイったら
それで終わりだもんな…。
俺は、少しでも挿入の時の若干の
痛みから気を逸らすために、必死で
そんな事を考えていた。
そして、熱く滾った客の肉棒が
俺の後孔に触れて、中をこじ開けて
進んでくる。
…っくそ、やっぱりまだ慣らしが
足りなかったのかよ。
痛みを伴いながら、押し進んでくる
ソレは、酷い圧迫感を生み、俺を支配する。
えっと、客の要望は…。
「…っ、ああっ、んあっ! 大きっ、ぃ…っ!」
『大きく喘ぐ』だったけか。
俺は、その要望に応える為に
声のキーを高くして、
客を興奮させる為に
言葉を選ぶ。
やがて、客が全てを俺の中に
埋め込んでピストンをし始める。
俺もそれに合わせて、喘ぎ声を
部屋中に響くくらいには、出していく。
「あっ、んっ…! あ、あ、あぁあっ、」
『相変わらず凄まじいな、君の吸い付きは…っ、』
「だっ、て…っ、気持ちいい、からぁ…っ」
とか言ってみたり。
たまに自分で、何言ってるんだって
そう思う時もあるけれど、これも
大事な仕事だと、金を稼ぐ為だと
思えば、なんてことも無い。
激しく出入りする中で、
安藤さんが、俺の首に手をかけた。
何をするんだろうと、朦朧とする
頭の中で考えていると…。
『こうすればもっと、締め付けが凄くなるんだよ…』
「えっ、あ…っ、う、ぐっ…あ、んどぅ、さ…っ」
安藤さんは、俺の首に両手をかけ
思い切り首を締めてきた。