第1章 【さとし】の日常。
『…っ、あぁぁっ、ん、ふっあ、んん』
バックで2回。
『あっ、ぅ、んっく、はぁぁ…っ、やっ』
対面座位で1回。
『…んぅ、っ…ああっ、や、ら、っぁ』
騎乗位で2回。
『は、っ、はぁ…あ、ああっ…も、ダメぇ、っ』
正常位で3回。
それはもう、たっぷりと。
高層ホテルの窓から、白けた陽が
ベッドを照らし出すまで。
僕の中から、液という液が一滴も
残らなくなるまで。
僕は、相葉さんの絶倫っぷりに
付き合わされてしまった。
出すものが無くなって、
ベッドの柔らかさに身を
投げるようにして眠りについた。
「…っん、んんぅ」
陽が高くなり、若干の暖かさが
部屋に伝わった頃。
僕は、気だるさを身に染み込ませつつ
目を覚ました。
全裸の身体にかけられていた
布団を剥ぎ、誰もいなくなった
だだっ広い部屋をぐるりと見回す。
「うわ、本当に広いや…」
昨日は、そんなにこのホテルの
内装を気にしていられなかったから
改めて見たその豪華さに
起きて早々、圧倒されてしまう。
…潤さんは、あまりこういう派手に
広くて大きい所じゃなくて、
シンプルで、必要最低限が揃っている所が
お好きだから、これも相葉さんの趣味か。
のそりとベッドから降りて、
高層ビル街を写し出す
大きな窓際へ、全裸のまま
歩み寄った。
窓へ火照った身体を冷やそうと
右手を触れさせると、
触れたそこから、ひんやりと
冷たさが伝わってきた。
不意に、こんな真昼間の
ビル街のど真ん中の、
高級ホテルの窓際で、
全裸で立ってる自分に
ぞくりとする。
…もし、向こう側のビルで
全裸の僕が見られてしまったら?
なんて、そんな羞恥心に
駆られているとき。
ベッドのサイドテーブルに
置いてあった僕のスマホが、
LINEが来たことを知らせた。