第1章 【さとし】の日常。
長い長い余韻のキスに、
身を任せていたら、不意に
相葉さんが顔を離した。
「ん、んっ…っは、どう、したんですか?」
僕がキスを名残惜しむように
相葉さんへ問い掛けると、
相葉さんは、爽やかな微笑みで
僕の頬を撫でると、僕の髪へキスを送った。
それから、僕の耳元で甘く囁くように
声を潜めて、言葉を紡いできた。
雅「これで終わりなんて、そんな悲しい事言わないよね?」
そう、僕を弄ぶように。
からかうように。
少し上から目線で。
僕はそれが何だか可笑しくて。
溢れる笑みが止まらなくて。
目元を細めたまま、軽く頷いて見せた。
「当たり前じゃないですか、…ふふ、だってもう明日までの時間は、貴方のものなんですよ? 潤さんから、聞いてないんですか? それとも、僕をからかってるんでしょうか?」
なんて僕も、笑いながら答えてみせると
相葉さんもクスクスと笑ってくれる。
そして、愛おしい者を愛でるように
僕の頬をひと撫ですると、
僕の首筋へ顔を埋めて…。
雅「からってないよ、君がつれないことを言うんじゃないかって、少し心配してただけだから」
「余計な心配に終わっちゃいましたね?」
雅「まぁね、でもそんな事忘れるくらい、君を楽しませて魅せるよ」
「…っ、はぅん、っ…あ、っ、やっん」
相葉さんが、僕を見ながら
怪しげに微笑んだかと思えば。
僕の胸の先に尖る花弁を
口に含み、舌で転がし始めた。
時々、ちらとこちらを見上げる
瞳がまた煽るように揺らめいていて。
僕はそれに、全身を昂らせ始める…。