第17章 その一歩踏み出す。
卯ノ花:貴女の中には既に素直になれる相手がいるようですね
その笑顔に私は戸惑うしかなかった。素直になれる相手っか・・・。卯ノ花隊長には叶う訳ないとただ苦笑するしかなかった。卯ノ花隊長は診察室を去った後、私は天井を見つめ溜め息を吐いた。
澪:いるの分かってるの翔出て来なさいよ
その発言に翔は素直に天井から降りてきてくれた。診察室の外では日番谷隊長が私が外に出てくるのを待ってくれている。
翔:全く、どうしてそうドジっ子するんですかね。貴女は・・・。
翔は溜め息を吐きながら、私を見つめた。私はただ苦笑して、翔を見つめていた。
翔:穿界門の準備出来てます。どうされますか?
その言葉に私は、表情を引き締めた。逃げるのはやめよう。そう決意しているのだから・・・。
澪:行くわ、ただ
翔は私の口を人差し指し「日番谷隊長は俺がどうにかします」と笑顔で告げてくれた。探されると厄介なのだ。
翔:でもくれぐれも無理しないで下さい。それから・・・。
翔は少し戸惑いながら、私を見つめ続きを話し出した。
翔:どうやら、その呪いが氷輪丸ではもう抑えきれないかもしれません。
近くにいすぎた。それを察知して私が先程渡した品。それは、私に課せられた枷を防ぐことが目的。
澪:どうやら、本当に間に合ったのね。
私は苦笑して、自分の斬魄刀に触れた。氷輪丸の対とはいえ、正直、日番谷隊長は全く真相を知らない。全て、私が四十六室に氷輪丸の主が現れた瞬間黙らせたのだ。
翔:それと・・・枢が既にこの一件で怒っています。一回玖蘭に戻るべきでは?
私はただ苦笑した。そして、診察室から出てこない私に待ちくたびれたのか日番谷隊長が入る気配を感じた翔は、天井に隠れたのだった。
日番谷:卯ノ花が戻ってから出てくるの遅いじゃないか
腕を組んで、私を見つめている日番谷隊長は溜め息を吐いている。そんな様子に私は苦笑して、不意に手を差し出されて私は日番谷隊長を見つめた。
日番谷:柊沢の足の具合で歩いてやるから部屋戻るぞ
そう告げられ、私は診察室を日番谷隊長の手を握り去ったのだった。去った後、翔は診察室の天井から降りて溜め息を吐いた。
翔:まっさか・・・惚れたのか?
苦笑しながら翔は髪を掻きむしったのだった。
「ありゃ、無自覚だな二人とも」とぼやいた