第17章 その一歩踏み出す。
その言葉に俺は少しだけ考え込んだ。理由を上げれば、気になるが正解だろう。だが、不意に思い出したのはあの時の模擬戦の時の俺に斬魄刀を向けた時の涙。
日番谷:さぁな、ただ・・・ほっとけないんだよ
その言葉に澪は、俺から顔を背けた。零番隊が急遽復帰した理由も正直俺は聞いていない。総隊長の孫らしいが、何も本当の事を知らない。調べようと何度か試みたが、澪の資料は全て、抹消されていた。いや、抹消または隠蔽されている痕跡があった。
澪:何か、ほんと兄みたいなこといいますね。
その言葉に俺は、澪の額にデコピンした。「俺はお前の兄貴じゃねぇーよ」と突っ込みをしてだ。澪は額を摩っているが、俺の言葉にただ笑っていた。
日番谷:歩けねーんだろ、仕方ねぇーから四番隊まで連れてってやる。
そう発言すると俺は澪を抱きかかえようとしたが、その前に澪が俺に何かを渡してきた。
澪:足飾り、肌身離さず付けて下さい。お守りです。
渡してきた表情は何処か寂しげで、受け取った俺は少し拍子抜けした。こんな寂しそうな表情、模擬戦以来だ。
日番谷:・・・有難く受け取っておく
そう告げると俺は懐にしまい、澪を抱きかかえ瞬歩でその場を離れたのだった。
卯ノ花:日番谷隊長どうかしましたか?
四番隊舎に来て、俺が突然来訪してきて卯ノ花隊長は驚いていた。腕に抱きかかえた澪の足を見つめ、少し笑い診察室に通してくれたのだった。
卯ノ花:余所見していたとは言え、気を緩めすぎですよ
丁寧に診察処置をしていく卯ノ花隊長の言葉に私は溜め息を吐いた。日番谷隊長は診察室に私を入れるとその場を離れてくれた。
卯ノ花;何か悩んでるのですか?
その言葉に私は「何でもないです。」と苦笑いをした。その様子に卯ノ花は溜め息を吐き告げた。
卯ノ花:総隊長から事情は聞いています。他の隊長達は詳しい事情は知らないようですが、少なくとも涅隊長と私、卯ノ花は貴女の過去を知っています。頼りたいときは頼って下さい。
その言葉に私は素直にはなれなかった。だって、私は助けられなかったから、その様子に卯ノ花は溜め息を吐き。
卯ノ花:泣ける相手は私や他の隊長達では無理みたいですね。
私はその言葉に、卯ノ花隊長を見た。