第17章 その一歩踏み出す。
澪:翔、ごめん。浦原に会いに行く
その言葉に翔は瞳を大きくした。一番の真相に近い人物に会いに行く、その言葉の意味を察した翔は歯ぎしりし、呟いた。
翔:いいのか?もうそれで
体調が元通りに戻ったか、そんなこと聞かれたらば答えはNO。だけど、私の答えも行動することも何も変わらない。
澪:これ以上、もう逃げるのはごめんだよ
それだけ、翔の顔を見ずに澪は告げた。翔は溜め息を吐き「出来るだけ早く用意します」と告げた。
理解はしていた。こうなる前に、けじめを告げたかった。けれど、もう時間は止まってはくれない。
澪:我が儘でごめんなさい。
やる事が出来た。私が今出来る事、限られた中でやるべき事。
逃げ出せばこの先どうなるかわからない。
澪:遙兄様、私、もう逃げないよ。
あの時から私は誰かに守られてばかりいる。だから、逃げていたのかも知れない。その真実の真相からずっと・・・。
日番谷:あれからずっと澪の様子がおかしい。
十番隊の職務室で、俺は仕事しながら呟いた。体調が悪かった数日から俺を避けている気がしてならない。溜め息を吐きながら仕事をしているが、集中力にかけていた。
乱菊:隊長?澪と何かありました?
俺の溜め息が何度か続いたからか、松本は俺を見詰めて質問した。「別に・・・」と俺が答えると、松本は少しだけ首を傾げた。
乱菊:隊長、仕事より澪と話すべきです。
突然、俺を立たせると松本は、職務室から俺を出させた。澪との話が終わるまで戻ってくるなと言われ、俺は溜め息を吐きながら髪を掻きむしった。拉致があかないし、澪と話をするかと決意を決め、探し始めた。
魅威:もう時間ない。わかってると思うけど、これ、作るだけで消耗激しいのよ?いい、ちゃんと渡すこと
私は盛大に溜め息吐いた。体調を崩して数日後、魅威が単独で訪れて、私に渡してきたものがある。その理由も理解しているからか、最近私は日番谷隊長を微妙に避けている。私は、手に持っているアンクレットを見つめ、溜め息を吐いた。
形は龍を模しているが、所々星の形をしたポイントもある。そね理由はゆうに理解出来る。自分の腕についてるブレスレットと大差ない。
澪:ほんと、どう渡せばいいのよ