第16章 欠けていたピース
瞳をあければそこは見慣れた天上があった。
「・・・っ水」起き上がりたくても起き上がるのが困難だった。
澪:まずったな、まさか発動するとかあり得ない
手で顔を隠し、悔しくてたまらなかった。恐らく此処まで連れて来たのは日番谷隊長だろう。5番隊舎から出てからの記憶が全くないのだ。
澪:意識を取り戻せたのは恐らく・・・
今だに身体が余り言う事を聞いてくれない。蒼は、私を見詰めて溜め息を吐いた。
蒼:少しは今の自分考えるべきじゃないの?
その言葉に私は蒼に少し触れた。正直力が入らない。朦朧とする意識を私は再び手放し眠りについたのだった。
日番谷:わかったよ!
俺は溜め息を吐いて職務室を出た。そんな俺の後ろ姿を翔が見つめていたのを知らない。自室に戻れば、澪はいまだに眠っていた。正直熱が上がってるんじゃないか?俺は首を傾げたが、正直眠っているのなら起こすことはできない。
日番谷:なぁ?零番隊は本当は何を知っていたんだ
眠っている澪に話かけても、澪が話をしてくれる訳ではない。けれど、俺の知らない所で何かがあるのだろうと理解は出来た。
日番谷:柊沢、お前が黙ってることは何だ?俺は
俺の肩に蒼が乗っかってきて甘えてきた。不意の感触に俺は少し、安堵して蒼を可愛がった。
蒼:もうお前にならいっかな
不意にその声が聞こえ、俺は蒼を見つめた。あの時聞こえた声は幻聴だと正直感じていた。いやそう思い込んでいた。
だけど、今の声ははっきり聞こえた。
蒼:僕や紅月が言葉交わせないと思い込んだ?それは残念。こうして話せるよ
蒼は俺と向き合うように、俺を見つめた。無論、俺に尻尾を振りながらである。「僕達の霊力余り考え込んでなかったみたいだね。」と蒼は苦笑していた。
蒼:心配ないよ。君が傍にいてくれたら主もすぐ元気になるさ
蒼は澪を見つめ溜め息を吐いた。正直小声で「予感はしていた」と呟いでいたのを俺は聞き逃すことはなかった。
翔:ごめんな魅威頼んだわ
翔は地獄蝶を使い連絡をした。流石に翔はかなり溜め息をはいた。深い溜め息を吐くと壁に寄り掛かった。
翔:俺の馬鹿
髪を掻きむしり無性に叫んだ。澪を一人で行かせるべきではなかったと地団駄しながらである。