第15章 動き始めた罠
隊首会の内容を聞いた松本は驚くことばかりでいくつも質問してきた。正直澪は苦笑しており、俺は呆れている。
乱菊:ねぇ、澪どうせだから私の事は「乱菊」て呼びなさいよ。もう知れてる仲なんだからさ
松本は、人差し指を澪に向け、笑った。澪は苦笑していたが、松本の性格を知ってるからか受け入れていた。
日番谷:それとお前部屋
澪は「あぁ〜」とぼやいて考え込んでしまった。元柳斎は多分別室を許さないだろうし、その理由も知っている。
澪:このまま日番谷隊長と同室じゃだめ?
俺は後退するが、澪は俺を見つめるだけ、俺は溜め息を吐いて髪を掻き毟る。澪も理由があるのか、よくはわからんが上手く説明出来んらしい。
日番谷:まさかと思うが総隊長命・・・みたいだな
松本は「隊長も満更でもないんでしょ?」と俺をからかって来る。俺は溜め息を吐いて「わーたよ」と告げたのだった。
澪:後、日番谷隊長、余り深く探れば探る程貴方は囚われますよ。零番隊の過去に・・・。
澪は立ち上がり俺にそう忠告した。そして、澪は間を置いて、溜息を吐いた。
澪:それから全てのピースが揃った時、日番谷隊長、私は貴方の前から去ります。
俺の顔を見ず、澪はそう告げた。これ以上の質問には応じない。そう澪の背中は語っていた。
藍染:ギン・・・彼女はどうやら勘付き始めてるようだね。
零番隊が復帰された状況を藍染は愉快に内心笑っていた。背後には三番隊隊長の市丸ギンが「そうみたいです。」と答えていた。
藍染:実に惜しい。本来なら此方の手に収めたかったが・・・っふ、遙君と同じ道を歩んで貰うしかないな
藍染は眼鏡を外し、遠くを見つめた。「僕の鏡花水月で操ることも可能かも知れないが」と告げながら含み笑いをする
藍染:少し楽しみではあるよ、彼女の中に眠る虚は数年前のあの事件なのだから、よくも虚が目覚めないものだ。いいデータが取れるだろう。
藍染はそんな会話をしながら五番隊舎に戻ったのである。ただ、市丸ギンは「あかんわ、堪忍な」と小声で呟いた。