第14章 零の帰還
私の元と日番谷隊長の元に地獄蝶が突然来た。
日番谷隊長は、緊急の隊首会の招集命令だったが、私の地獄蝶が連絡してきた内容に、私は顔を引きつらせた。
翔にも地獄蝶が飛ばされたらしく、翔も溜め息を吐いていた。
日番谷:じゃあ、俺は隊首会に行くが松本、仕事サボるなよ
日番谷隊長が去ってから私と翔は同時に立ち上がり、互いに溜め息を吐いた。松本乱菊は、その光景に驚いていたが我関せず、その場を私達も離れたのだった。
日番谷:翔?なんで此処に?
隊首会が始まろうとしていた中でいきなり乱入してきた翔に、俺はかなり驚いていた。普段こんなことしない翔は、総隊長を見つめて「いい度胸ですね、総隊長」と不機嫌発言をしている。
元柳斎:これは決定じゃが?
翔は溜め息を吐いて「四十六室の決定ですか?」と総隊長を睨み付けた。総隊長は、その発言を逃げずに「そうじゃ」と頷く。
澪:それ以上にして翔!!!
隊首会の扉が開かれ入ってきた人物に、俺は目を見開いた。先程まで隊士達が一斉に来ていた死縛装ではなく、スカート感覚の死縛装を身に纏っていた。
元柳斎:ようやっと来おったか
澪は相変わらず顔が引きつっている。腕を組んで溜め息を吐いて、隊首会へ入って来た。
澪:本当にいい度胸してますわね。お爺様
「お爺様」の言葉に各隊長は顔を見合わせる。元柳斎の孫の話など誰も耳にしたことがないからである。
元柳斎:はなっからワシは告げていたであろう
元柳斎は目を見開いて、私を見つめる。私は溜め息を吐いて「もう、遙兄様のような事はごめんです」と告げ、護廷十三隊を見つめる。
元柳斎:これは四十六室の決定、覆せぬ
私は溜め息を吐き、そして凹む。翔も溜め息を吐き、「仕方ないですね」と呟いた。
澪:はぁ・・・分かりました。貴方の口から話して下さい。
元柳斎から翔に振り向き、私はハイタッチする。互いに諦めて選ぶしかないと覚悟したのちに・・・。
元柳斎:皆に集まった理由、それは本日より零番隊を復帰させる。
その言葉に、涅は「隊長を務める器の・・・ん、先程遙と告げたね君」と告げながら澪を見つめる。
涅:成る程成る程、そういうことか
涅は面白いものを見たかのように「実に興味深い」とニヤついていた。澪はかなり溜め息を吐いた。