第13章 鎮魂歌
澪:お、重い・・・。
相変わらずな髪飾りに私は溜め息を吐いた。
髪飾りは全て金色で作られており、髪には鈴紐で纏められていた。
魅威:他の方はこれ着ないんだから我慢したら?
白を基調としたこの着物は相変わらず苦手だ。
皆の目を引くからである。身支度を整えた私は溜め息を吐いた。
元柳斎:相変わらず綺麗じゃの
今回は護廷十三隊も客人として招かれている為、総隊長が皇の貴族に顔を出していた。まぁ、孫の顔を見に来たみたいな感覚だ。
澪:にしても、ちょっと遅くない?
私は向かい側で支度中の日番谷隊長を気にしたが、魅威は「まぁ、仕方ないのよね」と溜め息を吐いていた。今回は、突然だったので用意も早急だったらしい。
魅威:澪のもかなり焦ったのよ?
その言葉に私は視線を紛らした後、「ご支度整いました。」と聞こえ、振り向いた。髪の装飾は殿方だからしてはいないが、着物だけは日番谷隊長に似合う色合いだった。
魅威:うん、悪くないわね。
私と日番谷隊長2人を見合わせて魅威は、笑った。確かに式辞だからそれなりの服は用意されるとは覚悟したが、まさか新調するとはね。
澪:・・その
日番谷隊長と顔を見合わせた瞬間、目が互いの姿を見て止まった。
魅威は少し溜め息を吐いて「主役は早く行く」と叫ばれてしまった。
翔:本当に大丈夫か?
その場に残った者達が見合わせていたのを本人達は知らない。
既に祭は賑わっており、他の舞い手や奏者達による披露がされていた。
澪:今回、風と地の舞い手は序盤だったのよね
壇上には既に中盤の方に入っており、私達は終盤。そして最後は、溜め息を吐いた。
澪:風と地の舞い手とは会わせてないけど大丈夫かな
私は日番谷隊長を見た。風と地の舞い手は例年出ている為舞い手が違ってもそれに合わせてくれるのだ。ただ、問題は・・・。
澪:日番谷隊長大丈夫ですか?
緊張してるのか先程から壇上を見入っている。私は溜め息を吐いて、肩を叩いた。
日番谷:なんだよ
やっと気が付いたのか私に振り向いた。日番谷隊長を見て、さらに溜め息を吐いて、指を指した。その先には護廷十三隊の面々が見物している。その一角に松本乱菊がいて、手を振っていた。
澪:気が晴れました?