第13章 鎮魂歌
ルキア:姉様は、今回の祭出られるのですね。
その言葉に私は少し苦笑して頷いた。この間まで代理を立ててまで参加しなかった私の行動に驚いていたのだろう。
ルキア:やはり日番谷隊長が理由ですか?
私は首を左右にふった。今回、日番谷隊長の件がなくても代理が見つかることはないだろう。だから、代理を立てるのを諦めたのだ。
澪:このお祭が元々霊王様に感謝が込められてるのルキアは知ってるわよね。
私は空を見詰めて呟いた。「世界を見渡しなさい」かつて、父が私に告げた言葉、声を交わさなくても互いの意識で伝えあった気持ち。ちょっとだけ寂しく感じた。
ルキア:今回はその当主としてですか?
その言葉に私は目を瞬きして、ルキアの髪を撫でた。そして笑って、ルキアの口に人差し指を出し「秘密」とだけ伝えたのだった。
ルキア:姉様はずるいです。誰からも慕われて
その言葉に私は溜め息を吐いた。慕われてるわけじゃない。
貴族の家柄が良すぎただけ、その状況を理解してるから今回は逃げ出すのをやめた。
澪:ルキアは今のままでいなさいよ
私はルキアにそう告げ歩き出した。私の言葉にルキアは「はい」と優しく微笑んでくれた。休憩も終わりで、日番谷隊長が職務室に戻るのが見えた。日番谷隊長も私の視線に気付いたのか、声を掛けてくれた。
日番谷:蒼は俺から離れないがいいのか?
その言葉に私は「蒼の好きなようにしてよいかなと」と告げ、蒼に触れた。大分霊力が高まってるのか、言葉を告げれるほどにはなっている。そんな私の言葉に日番谷隊長は「そうかよ」と告げたのだった。
日番谷:当日だけど、俺はどうしたらよいんだ?
澪は「皇の家がある程度用意してます」と告げた。こんな催しに出るのも初めてな俺にはかなり荷が重いのだが、溜め息を吐いた。
澪:まぁ、大丈夫ですよ
祭の日が迫ろうとしていた。だけど、今日も護廷十三隊は何も変わらない日々だった。