第13章 鎮魂歌
乱菊:隊長、どういうことですか!?
朝、仕事に取り掛かる時騒がしく入ってきた松本は、俺の側に来て質問してきた。蒼はビクついたのか俺の足元に隠れ覗き込んでいる。
日番谷:何がだよ
松本いわく朝から護廷十三隊の間で話題らしい。俺には余り思い当たる節がなく、澪は思い出したように
澪:あ、あの祭!もう発表されたのか
その言葉に俺は溜め息を吐いた。この間、俺が連れて行かれた理由か、松本の顔を見ればウキウキしてるのは明白だった。
乱菊:もうみんな絶対行くと叫んでるのよ
どうやら俺が出る事が相当楽しみらしい。早朝になると澪と練習したりしている。神器には触れてみたが、確かに斬魄刀に比べれば神経質にはなりやすかった。
日番谷:松本、わかったから仕事しろ
松本は、まだ話し足りないのか仕事にスイッチがない。澪は溜め息を吐いて仕事を再開している。
乱菊:とにかく絶対にいきますからね。
昼間になると澪は、その式典の資料を渡してきた。元々、貴族が主催する祭だ。
日番谷:柊沢は、貴族と何か関係あるのか?
私はその質問に溜め息を吐いた。学院に入る時に、自分の苗字を黙っていたのだ。
澪:縁があるってだけです。余り詳しい事は話せないですよ
何気なく溶け込んでる十番隊の中で、私は少しだけ孤立感覚がわだかまりが残っていた。昼間には、皆が職務室を離れ休憩してる中、私は離れた場所で溜め息を吐いていた。
「姉様?」
その言葉に私は声のかけられた場所を見詰めた。
死縛装に身を包んだ黒髪の女性など、見間違えるはずもなく私は立ち上がり「ルキア!」と叫んでいた。
ルキア:やっぱりご無沙汰してます。姉様、最近朽木の家に来ないから驚きました。
ルキアの言葉に私は頬を書いて、苦笑いしていた。別に遠ざかっていた訳ではないのだが・・・。
ルキア:護廷十三隊の十番隊に所属されたのは兄様から聞いてましたが、こんな形で会えるとは奇遇です。
ルキアは、相変わらずのように私に抱き付いてきて可愛く見えた。自分は末っ子だ。妹がいたらこんな形だろうなと感じた。