第10章 乱舞の儀
日番谷:あんま俺詳しくないんだけど
皇の屋敷からの帰宅最中、澪は溜め息を吐いた。
翔は、もう大爆笑しながら俺を見ている。
翔:大丈夫ですよ。まぁ、
翔は、小声で「明日の朝、こっそり澪の後つけて下さいな」と俺に言った。仕方ないので、朝こっそり澪を付けてみることにした。
日番谷:一体何があるって
俺は立ち止まった。
目の前の光景に少し魅入ったのだ。
日番谷:柊沢・・・。
朝方、私はいつも通りの日課をしていた。
本来なら滅多にすることはない。2枚の扇を持ち、意識を無にして舞い始めた。扇から自然に炎が溢れ出し円を描く、祭事が近くなるにつれてなるべく考えないようにしていた。
澪:やっぱり、私には無理だよ。
この神器、かなりの霊力を使う為消費が激しいのだ。
数分舞いをしただけで息が上がってしまう。
日番谷:柊沢、朝早いんだな
私は振り向いた。日番谷隊長は、私に近付いてきて見詰めている。
手に持っていた扇をその場に突き刺した。
日番谷:それは
どうして来ちゃうかな、私は少し溜め息を吐いた。
先程までの扇の柄には蝶の柄が刻まれている紅を基調としたものだ。
澪:ああ、祭で使われる神器ですよ
その言葉に俺は少しだけ神器を見つめた。
昨日触れた物もそうだが、これも少し変わった形をしている。
日番谷:見せてくれないか?もう一度
その言葉に、私は「自身ないですよ」と伝えた。
それでも構わないというように、日番谷隊長は頷いたのだった。
俺は澪が、舞を始めた瞬間に斬魄刀の氷輪丸を抜いて、澪に背中合わせになるように波長を合わせた。
日番谷:何考えてるんだかな、俺も
澪は、驚いたように俺を見詰めたが直ぐに舞に集中をした。小幅や波長が合わさるように舞われた。
気付いた時には、全ての舞が終わった時澪は、驚いたように目を見開いた。
どうして、その舞を・・・と私は驚いた。
何故なら初日でここまで波長が会うはずないからである。
日番谷:ざっとこんなもんか
不思議だった。こんなにも息が合わさるのは・・・。
日番谷隊長は「どうした?」と告げて、首を傾げている。
日番谷隊長の言葉に私は首を振り、日番谷隊長に続いた。