第9章 策略と計略
確かにこの件は、前から疑問を感じていた。
計算して色んな策略を考案しているような、そんな感覚だ。
澪:流石に、ちょっと難点か
書類を懐にしまうと私は、その場から移動することにした。
まだ早朝、ちょっと肌寒い感覚がする。
澪:にしても、本当に数年前より変わってしまった。
昔の護廷十三隊を知ってる私にとっては、ちょっとだけ寂しい。
あの頃は、護廷十三隊の誰かを疑う事はなかった。
澪:お兄様が、もし生きてたら今どう感じていたのかな
空を見上げた。今はいない亡き兄、優しくてとても頼り甲斐があった。だけど、今はもういない・・・。
「君が噂の新人さん」
背後から声をかけられた。
私は少しばかり、睨み付けた。
澪:私に何かご用ですか?
あかんわ、完全に疑われてる。こりゃ、あかん。
心でわいは、苦笑した。ほんま、この子洞察力は鋭いわ
澪:市丸隊長ですよね?私に何か?
わいは、澪の斬魄刀を見た。
正解。探し求めていた斬魄刀や、引き抜き出来るならしたいもんやが、この子最初から疑ってるわ
ギン:朝早いのと思っての
この人、本当に苦手。不意に尋ねてきた市丸ギンという隊長は、はなから臆せずにはいられない。
ちょっとばかり、冷や汗と緊張感が拭えなかった。
ギン:何や興味あるや、あんさんに・・・。
その言葉に私は少し身体の動きを止めた。
まるで全て見透かされてるようなそんな瞳に、私は囚われてしまった感覚だった。
澪:失礼します。
狐に噛まれたような視線に私は居てもつらく、その場を離れた。
まるで、私が囚われたような感覚がその場を去っても、忘れられずにいた。
ギン:あかんわ、何か感づいとる
わいは、去った方向を見つめ呟いた。
あの目は何かを疑ってる目、流石のわいでもわかる目や
ギン:ま、ええけどな
興味が湧いたわ、あの新入り、わいに臆しない。
本当に相当たる実力やわと笑った。