第5章 夜桜の意思
不意に足音が聞こえた。
俺は寝たふりをしていたのだが、霊圧で誰の者か理解出来た。
けれど、その会話が信じられなくて起き上がった。
日番谷:氷輪丸が彼奴に答えた・・・。
かけられた毛布を静かに見つめて、少し考えた。
澪は何かを隠している。それも・・・。
日番谷:俺の斬魄刀と彼奴の斬魄刀、何かあるのか
いきなり現れた澪が、俺ではなく斬魄刀に語りかけるのがおかしい。
日番谷:少し調べるべきか、それとも・・・。
少しばかり澪に聞くべきか躊躇した。
胸糞悪い。黙ってることがある事に無性に腹が立つ。
日番谷:柊沢澪か、彼奴本当に何なんだ。
隊長である俺に怯えもせず、増してや明らかに積極的っぽい部分もある。少しだけ興味が湧いた。
日番谷:少しばかり楽しくなりそうだ
空を見上げれば、星空が輝いていた。
ただ気になるのは、俺は氷輪丸を抜いて見つめた。
日番谷:斬魄刀が似ている事、何か関係あるのか
俺に氷輪丸は、先程の事はおそらく答えてはくれないだろう。
それでも少し気になる部分があるのは確かだった。
日番谷隊長の部屋を見れば、少しだけ殺風景だった。
本当に生活用品だけなのだなと
澪:さて、本当にどうしよう
困った事に護廷十三隊長に入ったのはある斬魄刀を確認する為。
けれど、私は頭をかいた。
澪:若干剣交えただけで共鳴するなんて、どうしたら
このままだと、完璧に封印が外れる。
そんなことしたら厄介だ。
澪:咲夜姫の罪過、流石に困るわね。
様子は見るけれど、持ち主が持ち主なだけに盗み出す訳にもいかず、思わず溜め息を吐いた。
澪:氷輪丸と私が話せるのは気付かれないようにしないとな
これから先がちょっと荷が重たく感じられた。
日番谷隊長の寝室を借りるのは流石に気が引けたけど
澪:何でだろ、懐かしい感じがする
静かに私は眠りに着いた。
その日だけは、何故か心地良かった。