第5章 夜桜の意思
澪:やっと見つけた。
私はかなり溜め息を吐いた。
確かめたいことがあって、ずっと日番谷隊長を探していた。
まさか、隊所室の外、野宿していたなんて誰が思うか
澪:私が部屋を借りたからだよね。
呆れ混じりに、自分の馬鹿さに溜め息が出る。
少しばかり日番谷隊長の寝ている姿をみて、ちょっと霊圧を抑えた。
澪:氷輪丸・・・出て来てくれないかしら
その言葉に呼応するように、氷の龍は姿を現したのだった。
氷輪丸は、私を慈しむように顔を近づけてくれた。
氷輪丸:いくばく以来だ鳳凰凛の主人
その言葉に、私は溜め息を吐いた。
やはり、氷輪丸は覚えていた。
澪:聞きたいことがあるだけよ、聞いたら、これ以上は何も聞かないわ
その言葉に、氷輪丸は「よかろう」と頷いた。
その言葉に、私は少し不安ではあったが聞かなければ始まらないので氷輪丸を見つめた。
澪:単刀直入に聞くわ、日番谷冬獅郎にあの呪いは具現化してるの
その言葉に、氷輪丸は私を見つめた。
そして氷輪丸は、自分の主人を見つめ
氷輪丸:具現化はされていない。それは鳳凰凛の方が因果は強いはずだ。
それだけ聞ければ問題ない。
出会ってしまったのなら、逃げる訳にもいかない。
澪:そう。けれど、このままはまずいのかも知れないわね。
どの道対の斬魄刀は出会ってしまった。
このままでは、いつ片方の対に発動されればバレてしまう。
澪:氷輪丸、少しだけおさえられる。
その言葉に、氷輪丸は「可能だ」と言われた。
私は、溜め息を吐いて今出来ることを考えた。
澪:彼奴が其方にまで影響出るようなら知らせて
これ以上、氷輪丸が出てれば日番谷隊長に知られてしまう。
氷輪丸は素直にその場を退いた。
澪:ごめんなさい。巻き込んでしまった
日番谷隊長に毛布をかけ、立ち上がるとその場を離れた。
日番谷隊長の寝顔、少しだけ見ていて和んだ。
澪:咲夜姫の罪過、何で私だったんだろう
空を見上げれば何一つ変わらない。
少しだけ心が揺らいだ。