第2章 作戦会議
その瞬間、が自分のことを見つめていたことに気付いた。
「あの、オレの顔になにか…?」
無意識にみつめていたは慌てて
「いえっ!なんでもないんです!」
と笑顔を作った。
トランクスは不思議そうな顔をしながらも
「そうですか。では、行きましょう。」
と、もう気にもとめてないふうに言った。
行きと同様、沈黙が続く。
先に破ったのはだった。
「トランクスさん…」
「はい?」
「すみません…」
急に聞こえた謝罪の言葉にえっ、と数歩後ろを歩いていたに目をやる。急に謝られたトランクスは何故謝られたか全く理解していない様子だった。
「えっと…どうしてですか?」
「急に現れた赤の他人が隣の部屋なんて嫌ですよね。それにこうやって二人きりになるのも…私は話すのもそこまで得意という訳では無いのできっとつまらない思いをさせてしまってると思うんです。私、やっぱり今からでもブルマさんに断ってきて…」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
オレが嫌に思う?つまらない?
一体何故そんなことを考えるのだろう、むしろそれはこちらのセリフで、自分の方が話し下手だ。
「なぜそんなことを?オレはそんな風に思っていませんよ。」
「だって、隣の部屋ってブルマさんに言われた時、嫌そうにため息ついてましたし、案内を頼まれた時だってまたため息を…」
「それは違います!母さんに対してであって…」
そこでトランクスは言葉を止めた。母さんになぜため息をついたのか、その理由を話せばきっとこの少女は、顔を赤らめ変に緊張してしまうだろう。
「と、とりあえず、オレはむしろ大歓迎です。」
そう言ってやるとは安心したように上目遣いでトランクスを見つめた。
「本当ですか?」
「ええ。オレも同い年くらいの人と話す機会はあまり無いので、仲良くしてくれると嬉しいです。」
「よかったです!これから嫌な相手と一緒に生活させるのは申し訳なかったので…私、迷惑かけないように精一杯頑張ります。なのでこれからよろしくお願いしますね。」
はやっと本当の笑みを浮かべた。
うっ…!
女性に免疫の無いトランクスはその笑顔にたじろいだ。
なんだこの胸のざわめきは…!
慣れない感覚に戸惑いながらも、トランクスはこちらこそ、と笑顔で返したのだった。