第2章 作戦会議
この年にもなって自己紹介すらまともに出来ないのか、と思われたくはなかったからだ。
「オレの名前はトランクスと言います。」
よろしくお願いします、と少年ははにかんだ。
「そう言えば私も…!と言います。そして昨日は危ない所を助けていただき本当にありがとうございました…!」
は、自己紹介はおろか昨日のお礼も言ってなかった事を思い出した。
「いえ、無事でなによりです。それで、起きたばかりで申し訳ないですがリビングに母さんがいます。これからの事について話し合いましょう。」
「分かりました!」
とトランクスはリビングに歩いて向かった。
『…………』
沈黙が続く。は大人しくはあるが人並み程度に初対面の人とは話せたはず…それなのに何も話題が浮かんでこない。
(なにか話さなきゃ…!)
そう焦れば焦るほど言葉は詰まった。
一方トランクスの方も、話題を探してみるものの上手く話が切り出せないでいた。トランクスは初めて同い年くらいの女の子と話すわけだから、余計焦っていた。
(一体何を話せばいいんだ!)
自分の不甲斐なさを恨むと共に、今まで感じたことの無い緊張に戸惑っていた。
「着きました。ここがリビングです。」
やっと出た言葉は業務連絡となってしまったのだった。
リビングに入ると、お母さんと言うわりには若く見える女性がコーヒーを飲みながら座っていた。
「おはよう。昨日はよく眠れたかしら?」
さすが親子。同じ質問をされたことには内心微笑ましいなと思いながら
ええ、お陰様でよく眠れました、と答えた。
「そう、ならよかった。」
適当に座って、と促し、そういえばと話し始めた。
「自己紹介がまだだったわね。トランクスの母親のブルマよ。」
トランクスに自己紹介をして満足していたは、まだ名乗っていないことに気付いた。
「遅くなりました。です。」
「そう、ちゃんね。よろしく。それで昨日の夜考えてみたんたけど、ひとまずこの家で過ごしなさい。」
にとってはとてもありがたい話だが、命まで助けてもらったのにそこまでお世話になるのは申し訳なかった。
「さすがにそれは申し訳ないというか…」
ブルマがその声を遮るように次いで話した。