第2章 作戦会議
窓から差し込む光がを照らす。
「ん…眩しい…」
爽やかな朝の日差しで目が覚めた。
「あれ…ここどこ?」
一瞬そう思ったがすぐに昨日の出来事を思い出した。
「そうだった…私トリップしちゃったんだ」
コンコン
「あ、はい!」
は部屋のドアを叩く音に返事をした。
「おはようございます。今少しいいですか?」
外から聞こえる声の主はどうやらあの藤色の髪の少年だ。
(まずい!寝起きだ!)
は慌てて返事をした。
「えっと、少し待ってて頂けますか!?」
「構いませんよ。そうですよね、朝早くにすみません」
「いえ!私が起きるのが遅かったので…!すぐ準備します!」
準備…といっても服は昨日のまま、持ち物も何も無く何も整えるものがなかった。
仕方ないか…とは手ぐしでササッと艶のある黒髪を整え、服のシワを伸ばした。
よし、そう呟くとドアの外に向かって
「終わりました、いいですよ!」
と声をかけた。
シュンっとドアが開き、少年が現れた。
「おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」
は不覚にもときめいた。言動にではなく、彼の容姿にだった。昨日はまじまじと見る余裕もなかったため気づかなかったが、この少年…かなり整っていた。
元の世界では見慣れないサラサラの藤色の髪。青い瞳には意志の強さが見て取れたが、性格は穏やかで優しさも兼ね揃えている。
それに、着痩せするタイプなのだろう。昨日はジャケットを着ていたため気づかなかったが、シャツ1枚で佇む少年の体は鍛え上げられていた。
は人の外見にこだわるタイプでは無いが、さすがにこの少年の容姿には見惚れてしまったようだった。
「あの…?大丈夫ですか?」
少年は不思議そうに尋ねる。
「…っ!すみません!大丈夫です、とてもよく眠れました。ありがとうございます。」
は慌てて返事をした。
助けていただき、更には一晩お世話になり親身になってくれた方をそんな目で見るなんて…!
はこんな状況でもときめいてしまったことに少し我がことながら呆れてしまった。
「えっと、それで何か用が…?」
は正気に戻り平静を装う。
「ええ、自己紹介がまだでしたので。」
母さんに言われたので、という言葉は飲み込んだ。