第13章 異世界生活六ヶ月目
「あの…」
先に沈黙を破ったのはだ。
「トランクスさんって、本当に今彼女いないんですか?」
「…!? い、いないですよ。」
トランクスは急な質問に戸惑う。
(な、なんで急にそんなことを聞くんだ…)
「え〜?だってこんなにかっこよくて、気も利いて、一緒にいて落ち着くのに…誰も好きにならないなんておかしいよ…?」
「えっ…と…さん…?」
いつもと様子が違うに戸惑いながらも、そう言ってくれたことが嬉しくてたまらないトランクス。
「ホントですよ。だって私…トランクスさんのこと…」
そう甘い声で呟き、トランクスの方へ近づく。二人の距離はもう僅か数センチといったところだ。
「トランクスさん…」
そう彼の名前を弱く囁き、トランクスの頬へ手を伸ばす。
「えっ…!?ちょ、それ位所近づかれると…!」
あと少し、という所での動きが止まり、トランクスの膝の上にパタッと倒れ込む。
「さん!?大丈夫ですか?い、一体どうしたんだ…」
こころなしか、顔が赤く見える。
「ま、まさか…甘酒で酔ったのか!?」
「ん〜…トランクスさん…」
トランクスの膝で寝てるは、完全に酔っ払っている様子だった。
(甘酒で酔うなんて酒に弱すぎる…これからは気をつけないと…)
いや、それよりも。
トランクスは自分の膝の上で酔いつぶれているへ目をやる。
(こ、この状況…どうすればいいんだ…)
下を見れば、意中の人が無防備にも寝てる。トランクスも健全な男の子であるため、このままという訳にも行かない。
「仕方ないか…」
失礼します、と呟いてからを軽々と持ち上げ、の部屋へ運ぼうとする。
その時、の目がうっすらと開いた。
「やだ…トランクスさんと一緒にいたい!」
そう言って無理矢理降りようとする。
「ダメですよ、部屋に戻らないと。」
「なんで?トランクスさんは私と一緒じゃ嫌…?」
トランクスは潤んだ目で見つめられ、思わず本音で
「うっ…い、嫌なわけないじゃないですか!」
と言ってしまう。
「じゃあ、一緒に寝ましょうよ…?」
「えっ!?いや、さすがにそれは…」
「やっぱり嫌なんだ」
「いえ、だから違いますって…」