第12章 異世界生活五ヶ月目
「ふう…」
一方その頃トランクスは、無事渡せたことに安堵していた。
(さん、驚いてたな…)
プレゼントを渡した時のことを思い出す。
白い頬がほんのり桃色に上気していた。……その可愛らしい姿に思わず抱きしめそうになったことは、には内緒だ。
サプライズ、という訳でもないが、こっそり用意したピアスのプレゼント。
あのプレゼントはトランクスなりに考えて選んだものだ。女性の好みなんて分かるはずもなかったが、自分なりにさんに似合うと思ったものを選んだ。
最初は渡すかどうか迷った。彼氏でもなんでもない男に貰うのは嫌ではないだろうか?それに好みが合わなかったら…
考えれば考えるほど渡さない方が心配事も少なくて済むと思い始めてきた。
しかし、さんの喜ぶ姿を思い浮かべるとそんなことはどうでも良くなり渡そうという気になった。
実際、どう思ったかは分からない。
しかし嫌そうな素振りもなかったため、とりあえず嫌われてはいないか…と考える。
むしろ、オレのことを好意的に思っている様な素振りがたまに感じられる気がする…と、トランクスは薄々感じ取っていた。しかしまだそうだと決めつけるのには早い、きっとオレの欲目だ。そう言い聞かせる。
そうでないと期待してしまうから…
(明日、気に入ったかどうか聞いてみようか…)
トランクスはそう決心しながら眠りに落ちたのだった―。