第12章 異世界生活五ヶ月目
「もう気持ちだけで嬉しいです…!開けてみてもいいですか?」
「もちろんです。」
がリボンをほどき箱を開けると、中にはマグカップが入っていた。白を基調とした色に、小花柄が軽くあしらわれたもの。
「…!か、かわいいです!しかもこれ、今流行ってるブランドのやつじゃないですか…!これ、いいなあって思ってたんです!」
は思わずテンションが上がり早口でそう言った。
「あら、そこまでは知らなかったわ…色々見てたらちゃんの雰囲気に合う物があったのよ。でも喜んでくれてよかったわ!」
「ええ、オレも喜んでくれて嬉しいです。」
「ありがとうございます、最高のクリスマスです!」
は予想していなかったプレゼントを貰い、本当に嬉しそうに笑ったのだった。
――。
あの後、少し雑談をしてからとトランクスは自分の部屋へと向かった。
「今日はとても楽しかったなあ…トランクスさんはどうでしたか?」
「オレもとても楽しかったですよ。料理も美味しかったです。」
「そ、そうですか?えへへ、よかったあ!」
他愛もない話をしながら歩いていると、すぐ部屋の前に着いた。
「あ、じゃあトランクスさん、私はここで。今日は本当に楽しかったです!また明日…」
「あっ…!待ってください!」
はトランクスの声にドアを開けようとしていた手を止める。
「…?どうかしましたか?」
「その、コレを渡したくて」
そう言って差し出した手の中には、クルクルと巻かれたリボンで包まれた、華奢な手のひらサイズの箱があった。
「え…?これは…」
「クリスマスプレゼントです。」
「それはもう頂きましたよ!さすがにこんなに貰えないです…!」
「あれは、オレと母さんからです。これはオレから、さんにです。」
そう言ったトランクスの顔はとても赤かった。
「そんな…いいんですか?」
「ええ。早く受け取ってください…思ったより恥ずかしくて…」
差し出した手の行き場のなさが、とても恥ずかしい…
「あっ、えっと、ありがとうございます…」
は、不意打ちのトランクスからのプレゼントにニヤける顔を隠せなかった。
しかしトランクスは恥ずかしさのあまり、から目を逸らしているため気付かない―。