第11章 異世界生活四ヶ月目
「い、いえ…私、自分のお金で買いたいものがあったんです。ブルマさんから許可はもらってたんですけど、トランクスさんは反対するんじゃないかって話になって…それで内緒にしてました。ごめんなさい…」
は心から申し訳なく思い謝る。
「そういう事だったんですね。大丈夫です、謝らないでください。」
でも…、と続ける。
「今度から内緒でやるなんてことしないでください。さんはただでさえ絡まれやすいんだから自覚を持ってください。今日だって絡まれてましたよね?まったく…バイトをするのは全然構いませんが、身の安全を第一に考えてくださいよ!」
「あ、あれは本の場所を聞かれただけで!そ、そりゃ触ってきたりして少ししつこいなとは思いましたけど…」
「そういうのが絡まれてるって言うんです!」
「…ぅ…トランクスさん、怒ってないって言ったのに怒ってるじゃないですか〜!」
「バイト自体には怒ってません!さんの危機管理能力の低さに怒ってるんです!」
「怒ってることに変わりはないですよ!」
「分からないんですか!?オレはただ、さんのことが本当に心配なんですよ…!」
トランクスは少し声を荒げて言う。
「人造人間のせいで荒れた世界は、秩序というものが無くなった時期もありました。今でもその名残は消えていません。もし、そういう人達に遭遇してしまったらと思うと、いてもたってもいられないんですよ!」
「ト、トランクスさん…」
トランクスは正気に戻り気まずそうな表情で言った。
「はっ…!すみません、一旦出ましょうか…」
――。
とトランクスは帰り道を歩きながら話し始めた。
「…すみませんでした。私、トランクスさんはただの心配性だと思ってました。でも、思ったより世界は深刻だったんですね…」
「いえ、さんは知らなくて当然です。オレもしっかり説明しとけばよかったですね。でも、分かってくれましたか?」
「はい…これからはもっと気をつけます…」
「さっきも言った通り、バイトは反対しません。でも、オレが近くにいない時、何かあったら自分の身は自分しか守れません。そばにいる時はオレが守りますが、バイト中はちゃんと気をつけてくださいね。」
はトランクスに対する認識が甘かったことに気付いた。