第10章 異世界生活三ヶ月目
「なるほどな…こういう行事も出来ない世界だったもんな…」
「ええ、ボランティアも周りは男だらけでしたので…」
「私、トランクスさんはカッコイイからそうだろうなとは思ってたけど、まさかここまでだったとは…」
「え、や、カッコイイって訳では無いですが…」
トランクスはこれまで多くの女性に言い寄られてきても顔色ひとつ変えなかったのに、
からたった一言「 カッコイイ 」と言われれば、すぐさま照れた顔に変わる。
「とりあえず、子供たちも随分遠くにいる。見守り隊が離れてちゃいけねえからな。仕事をまっとうしながら楽しもうぜ!」
「そうですね…!」
その後はやシドも数組の人達に声をかけられたりして、彼らの容姿の良さが示された。
そんなこんなで終えた仮装パーティーは事件も起こることなく平穏無事に終わった。
「無事に終わって良かったぜ!」
「そうだね!」
とシドは疲れたようで、日が地平線に沈む空を眺めながら話している。
トランクスはさすがに帰りは普通の格好で…と言って着替えに行っていた。
シドが今日一日気になっていたことを聞く。
「なあ…はトランクスのことが好きなんだろ?」
「えっ…!?」
ははじめ誤魔化そうと思ったが、この感の鋭い少年は騙せないと思い正直に答えた。
「…す、好きだよ…」
「やっぱりな…それは別にいいんだけどよ、お前今日複雑な顔してただろ。それが気になったんだ。多分、トランクス関係なんじゃないかと思ってな。」
「…すごい。よく分かったね…」
はシドの観察力に驚く。
それと同時に自分の些細な変化に気付いてくれたこと、話を聞こうとしてくれていることの優しさが身に染みて、この少年と仲良くなれたことに心から感謝した。
「実は…」
は恐る恐る話し始めた。
「えっと、理由は言えないんだけど私はトランクスさんのことを好きになっちゃいけないの…」
「は…?どういうことだ、それ」
シドは理解できない様子だった。
「なんというか、私はあと数ヶ月したら遠い所へ行かなきゃいけなくて…」
は本当のことを話すか迷った。
シドは真っ直ぐ話を聞こうとしてくれているのに、騙さなきゃいけないのが心苦しい…
でも、話したところで信じてくれるのかな…?