第10章 異世界生活三ヶ月目
しかし一方の方は、なかなかのポーカーフェイスであるため、好きかどうかわからなかった。しかし直接聞けばポーカーフェイスは案外簡単に崩れた。
「ブ、ブルマさん、絶対にトランクスさんには言わないでくださいね!」
この手の話には慣れないは、必死になって言った。
「だーいじょうぶよ!少しからかうだけ!」
「ちょ…!もう、ブルマさん〜!」
そんなガールズトークをしていると、修行を終えお風呂まで済ませたのか髪を濡らしたトランクスがやってきた。
は何気に初めて見るトランクスの湯上り姿にドキッと胸が高鳴る。
薄紫色の髪は水に濡れいつもより濃い色になっている。全体的にボリュームダウンした髪型は、いつもとは違う雰囲気を感じさせ、まさに水も滴るいい男、といった具合だった。
タオルで髪を雑に拭きながら、二人の方へ向かい席に座る。
「おはようございます。朝から賑やかですね。」
トランクスは母と二人だけの時とは違った朝の雰囲気に、未だ少々の違和感を感じていた。
「まあね〜!ガールズトークはやっぱり楽しいわね!ね!ちゃん!」
「え、ええまあ…そうですね!」
ブルマと話すのはとても楽しいが、恋愛に関していじられるのはやめてほしい…!
そう思うが言えないは、いつかトランクスさんに私の気持ちがバレそうで怖いな…と思いながら返事をした。
「それよりトランクス、髪乾かしてきなさいよ!見なさい、ちゃんがいつもと違うアンタの姿にときめいちゃってるじゃない!」
「ちょ、ブルマさん…!?」
さっき秘密にするって約束したばかりなのに…!これではバレてしまうんじゃ…!そう思いトランクスの方を見ると、トランクスは何食わぬ顔でいた。
「ああ、、そうですね。今乾かしてきます。」
「ときめく」の部分には触れずそういうトランクス。
(な、なんだ…トランクスさんも案外鈍感なのね…)
はホッとする。ブルマはつまらなそうにトランクスの背中を見つめて文句を言っていた。
「なによー、つまらないわね!」
――。
リビングを出て洗面所へ向かうトランクス。その顔は先程までは見られなかった赤い色で染まっていた。
「…!危ない…母さんの口車に上手く乗せられるところだった…」