第10章 異世界生活三ヶ月目
がこの世界に来てから、早三ヶ月。の世界は真冬であったが、当初来たばかりのこちらの季節は7月下旬のあたりだった。
今では、木々が赤や黄色など色鮮やかに移り変わり、秋特有の雲が空に浮かぶようになった。風はまだ夏の匂いを残しながらも、少し冷気を帯びたものになってきた。
(秋か…はやいなあ)
時間は早朝。昼間はそこそこ暖かいが、この時間は太陽が昇って間もないため寒かった。
は三ヶ月の間に起こったことを思い出していた。
中でも一番はトランクスさんと出会えたことかな…なんて考える。
(慣れないこの世界で、私の隣で強さと優しさで守ってくれた…ブルマさんの目もあるし、特別な感情からじゃないのは分かってるけど。それでもトランクスさんが私なんかに飽きずに構ってくれるのがとても嬉しい…)
リビングでホットミルクティーを飲みながら、一人まったりしていた。
そこに、ブルマが入ってきた。
「あら、今日はトランクスは一緒じゃないのね」
「はい、トランクスさんは修行へ行ったみたいで」
3年後に迫るセルの襲撃にそなえ、トランクスは人造人間を倒した今でも修行は毎日続けている。
「あらそうなの。あの子にも苦労かけるわね…」
ブルマはそういいながら席に着く。ブルマの声は暗く思えたが、次の瞬間にはもう悪戯な笑みを浮かべたいつものブルマに戻っていた。
「ねえちゃん。トランクスの事はどう思ってる?」
は思わず頬を染める。
「どうって…と、とても素敵な方だと思います…」
「んもう!それは私の息子だから当たり前よ!聞きたいのはそうじゃなくてトランクスの事を好きかってこと!」
「えっ…!そ、それはその…」
真っ赤になって口ごもるを見れば、その答えは一目瞭然だった。
「あらあら!へえ〜なるほどね〜」
ブルマは嬉しそうにしていた。
今まで恋愛や青春といったことから遠かったトランクスにやっと訪れた春。
ブルマはのことをとても気に入ってるため、早くくっついて欲しいのが本音である。
(トランクスの方はちゃんのことを好きだって分かってたけど、ちゃんもだったとはねえ〜!)
ブルマの思う通り、トランクスはに接する時だけ格別に優しい顔に変わるためすぐに分かった。