第9章 異世界生活二ヶ月目
「…?あれ、私何か変なこと言いましたか…?」
心配そうにトランクスをのぞき込む。
「いえ、宇宙人とのハーフなんて聞いたら少しは避けられるのかと…」
「なんだ!そんな事ですか!だって、トランクスさんはトランクスさんでしょう?それに私を二回も助けてくれたんだから、むしろサイヤ人である事に感謝ですよ!」
確かに宇宙人とのハーフはにとっては信じられないことだ。しかし、そんなことはトランクスを避ける理由にはならない。
はそれよりも、助けてくれた時はあんなに自信があってカッコよかったのに、こんな些細なことを気にしているトランクスがとても愛しく思えた。
「わざわざ教えてくれてありがとうございます。でも、私はそれだけでトランクスさんを嫌いになることは絶対ないですよ。」
安心してください、と穏やかに笑う。
トランクスは、に異質なものを見るような目で見られることを極端に恐れていた。
しかし、もう隠すことは厳しくなってきたし、何より隠し事をするのがトランクス自身嫌になってきたのだった。
ありのままの自分を知って欲しい。あわよくばそれを受け入れて欲しいなんて…ワガママかもしれないがそう思ってしまった。
戦闘に関しては自信があるトランクスだが、ことに恋愛に関しては超絶奥手のようだった。
「ほんとう、あなたって人は…」
トランクスが思うよりは強かった。あんなに心配していたのにこうもあっけらかんと受け入れられては、トランクスも段々と笑えてきた。
「はは、それもそうですね。」
「そうですよ!」
は笑顔で答える。
「トランクスさん、変なところで臆病なんですね。」
それはもちろんが関わっていること限定なのだが…。
そんな事言えるはずもなく、それから二人は少しだけ会話をして
トランクスは部屋をあとにした。
一人になったはまたもやトランクスの事を考えていた。
人造人間を倒し人々を、世界を救ったのにとても謙虚で、それでいてちゃんと自信もある。私のことを二回も助けてくれた。気遣いもできて、自分をちゃんと持っている。意外と気にしいな所もあると、今日は知れた。
そんな人、好きにならないはずがない…はやっと自覚した。
トランクスさんが、好き―。