第9章 異世界生活二ヶ月目
その日の夜、は部屋でトランクスに助けられたことを思い出していた。
(トランクスさん…とてもかっこよかったなあ…)
襲われかけたのに呑気なもので、そんなことを考える。
もうダメだと思ったのにトランクスさんが助けに来てくれた…
は布団に顔を埋め、一人悶える。
(気のせいだと思ってたけど…これ、きっと…)
するとその時、トントンと誰かがドアを叩く音が聞こえた。
「はい、どうぞ!」
するとそこには先程まで考えていた人…トランクスの姿があった。
「トランクスさん…!どうしたんですか?」
思わず顔が赤くなる。
「あ、たいした用事ではないんですが」
と前置きしてから話し始める。
「知っておいて欲しいことがあるんです。」
は真面目な表情のトランクスに、一体なんだろうと不思議に思いつつ、とりあえず中へどうぞ、と自室の中に招き入れた。
コトリと、リビングで入れてきたホットミルクをトランクスに差し出す。
とトランクスは向かい合わせになるように、ローテーブルを囲んで座った。
「で、知っておいて欲しいことってなんですか?」
トランクスは話しづらそうにしていたが意を決して口を開く。
「あの…以前助けた時に空を飛んでたこと、人造人間の話などからオレが普通とは違うことには気付いていると思います。」
「確かに不思議だとは思っていましたが…でもここの世界自体がもう信じられないことばかりなので、皆そんな感じなんだと思ってましたが…違うんですか?」
は異世界だからそういうものだと思っていたが、どうやらそうではなかったようだった。
「ええ…実はオレ…に、人間とサイヤ人とのハーフなんです。」
「サイヤ人…?それは人種か何かですか?」
は聞きなれない単語に首を傾げる。
「いえ…地球ではない、惑星ベジータという星に住む人達のことです。言ってしまえば…宇宙人です」
だから空も飛べるし戦える、気を探ればさんの居場所も分かるのだ、とつけ加えた。
「へえ…!だからそんな事が出来るんですね!この世界には宇宙人の存在も認識されてるんだ…」
は感嘆の声をあげる。
トランクスはの反応に拍子抜けした。
「えっ…と、それだけですか…?」