第9章 異世界生活二ヶ月目
少し前にトイレを済ませたは、数名の男達にナンパされていた。
「あ、あの困ります…」
いくら断っても着いてくる男達から逃げようと必死で避けていたら、はトランクスが待っている場所から遠く離れたところに来てしまっていたのだった。
「いいじゃねえか、どうせ一人なんだろ?」
「いえ、だから友達と来ていて…」
「さっきからそう言ってるけどその友達全然いねーじゃん!なあ、いいだろちょっと付き合えよ!」
業を煮やした男達はの腕を掴む。
「…っ!痛っ!離して…!」
の必死の抵抗は虚しく、男達に囲まれてしまった。
為す術もないは、思わず声に出してしまった。
「た、助けて…!トランクスさん…っ!」
「助けなんて呼んでも誰も来ねえよ!」
すると突然、冷たく響く声が聞こえた。
「おい、さんを離せ。」
(トランクスさんだ…!)
「な、なんだお前!」
「聞こえなかったか、その人を離せと言ったんだ。」
トランクスはベジータ譲りの鋭い眼光で睨みつける。見たことも無い程の眼力。男達は本能で勝てないと悟り、すっかり怯んでしまった。
「わ、分かったよ…!チッ、おい、行くぞ!」
そう一人の男が言うと、一目散に男達は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「ふう…さん、大丈夫でしたか?」
トランクスはさっきまでの目とは違い、不安を抱えた目でを見つめる。
「あ、はい、大丈夫です!ありがとうございます!」
「ならよかったです。心配しましたよ…無事でよかったです。」
トランクスは心底安心した様子だった。
「すみません…」
「ああ、いえ、さんが謝ることは無いんです。悪いのはアイツらですから…」
「それにしてもよくこの場所が分かりましたね!」
ふふっと少し離れた隣を歩きながら、緊張感なく笑う。
トランクスはドキッとした。
「えっと、まあ直感、ですかね…」
何か考え込むように答えるトランクスには不思議に思いながらも
「さすが世界を救ったヒーローは違いますねえ」
と冗談で返すのであった。
その後とトランクスは他愛のない会話をしながら、ブルマの待つカプセルコーポレーションへと帰っていくのであった。